本との出会いが遅かった。
今日もまた風が土を舞い上げて辺りを茶色くしていた。私の住んでいる所は栃木と茨城の県境で少し走ると広大な畑が広がり二月の中頃から風が強く吹ので乾燥した畑の表面の土を舞い上げた。この時期畑は冬の寒さで植物はないに近い。あるとすれば保温を保つために作物にかぶせてあるビニールぐらいだ。
あまりにも強く長く吹くものだから、周りの空間が茶色に色付けされていた。あまりにも土がとんでいくので、道路の風の吹き溜まりに綺麗なサラサラの土がたまった。
先日何の気なしにそのサラサラの上を車で通りブレーキをかけると雪の上でABSが効いた様にガガガッと音がした。滑っているわけだ。
困ったことに被害は道路だけではない、あまりにも細かい土は風に運ばれて少しでも窓が開いていたり、部屋に隙間が空いていると中に入ってくる。これが半日で早ければ1時間で土だらけになる。掃除も細かい土なので大変なのである。
こんな状態では外には遊びに行けないな...。
私達家族は近くの図書館に避難にした。
下は前回書いたものなので呼んでいただけたら嬉しい。
図書館は落ち着く場所である。独特の書籍の匂いと静けさ、少しだけ感じられる物音、余りにも無音過ぎても落ち着かない。
ずっと同じところで書籍とにらめっこをしている御老人や一生懸命絵本とお話しをしている女の子がいた。新聞を開き朝の風景をかもし出す初老のおじさんもいる。人それぞれ自分の好きなことをやっている姿は見ていて好感がもてる。
私は最近なかなか一人で図書館にいけてはいない。一人で図書館に行く時、まず自分の席を見つけることから始める。自分のすきな居場所確保する事でまた落ちつく。好きな本を探すための秘密基地だ。そこをベースに自分のすきな作家に会いに行くべく旅をはじめる。
私は正直本を読むタイプの人間ではなかった。きっと私をしっている人はあいつが本を読むのかと思うだろう。
本との出会いは遅かった。
私が初めて本を深く読んで感動したのは村上春樹「遠い太鼓」という紀行文からだった。正直見るつもりもなかった。
この本は、日本で仕事に追われ疲れていた村上春樹がヨーロッパへ生活の拠点をうつした生活の記録である。この海外の生活の時、ノルウェイの森が執筆されたダンス・ダンス・ダンスもそうだと思う。
読んでいた時、私の心はやはり少し疲れていた。色々なことが積み重なり疲れていた。この本は奥さんがもっていて、私は長い時間を潰すしかない状態になり、そのためにこの本を持参した。私は奥さんを待つため長い時間を車の中で過ごさなければならない状態だった。このころはまだスマホはなかったきがする。しかし、なぜ私はあんなに好きだった漫画ではなく活字の本をえらんだんだろう?不思議だ。
車をリクライニングさせ読み始めた私は非常に充実をしていた。はじめての経験だが。読んでいる文面が頭に映像となって浮かんだ。ギリシャに行った事がない私が。
私は村上春樹のヨーロッパとりわけギリシャでの生活を非常に充実して読んだ。本人も書いているが、後半は気分がのらないのか少しネガディブな感情が垣間みえた。そんな部分も面白かった。
私は海外に全く興味がなかった。何でわざわざ日本を出て外国に行くしか無いんだと思っていた。しかしこの本を読んでヨーロッパに行きたく、ギリシャの島々にイタリアのローマに自分の興味が本を読む事で大きくなってゆくのがわかった。私はきっと生きている間にギリシャの島々とイタリアローマにヨーロッパの国々に足を運ぶと思う。
そんな事情から私は紀行文が好きだ。いろいろな場所に行けるから。
小説も読む。面白いと思うようになってきた。最近は芥川賞を取った村田沙耶香の小説が好きだ。いつも借りてくるとモヤモヤさせられる。私もそんな文章を書く才能が欲しい。文章で人の心を変えられ人生も変えてしまう。下は最近読んで気に入った本だ。「しろいろの街の、その骨の体温の」是非読んで見てください。
私は本と出会うのが遅かった。子供の頃絵本もほとんど読んではいない。私の幼稚園は毎週土曜日に一冊絵本を持たせてくれる幼稚園だった。あの時はペラペラめくって終わりだった。きっと面白い絵本があったんだろう。今ムスメさんに絵本を読み聞かせていると面白いなとおもう。最近読んで面白いのは長新太「ゴム頭ぽん太郎」ゴム頭のぽん太郎の冒険の話。私もゴム頭になりたくなってしまった。
もう少し早く本に出会えてれば人生は変わってゴム頭なっていたんだろうか?
私のムスメさんに是非本読んで貰いたい。本を好きになって貰いたい。勉強はある程度で本はいっぱい読んで欲しい。
今日の一言
長新太「へんなおにぎり」もオススメです。
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